今朝夢に出てきた再従姉妹の黒髪

再従姉妹と結婚しても近親婚とは言いづらい距離なんだよね

主題:「再従兄妹同士は近親婚じゃないもんっ!お従堂姉ちゃんも応援してくれてるもんっ!」

血縁関係やその続柄というのは非常に厄介である。

 

非常に暗黒めいた家系図を所有している人物もこの外面世界には存在しているだろう。

 

その中でひとつ存在しない存在を例にとって話を進める。

これはあくまでも存在しない存在の話である。そこに存在する一族名称存在や生命存在などは全て架空の存在であるとする。

 

 

それではここで呼称するための仮の名称を発表する。

 

存在するのは16歳男性、辛味澤 甘党(からみざわ あまとう)。

彼には妹がいる。その名を辛味澤 女王天童(からみざわ クインテッド)という。

彼は4存在家族である。

父の名は辛味澤 小麦畑(からみざわ こむぎばたけ)、母の名は辛味澤 政(からみざわ まつり)という。

ちなみに母の旧姓は金平糖山林(こんぺいとうやまばやし)である。

 

ここで補足しておくと、金平糖山林家は地元の大地主であるが、没落して今ではか細く暮らしている所謂恐慌貧困の層である。

 

馴れ初めはこれぐらいにして家族構成の説明を続ける。

 

辛味澤 小麦畑の父の名は辛味澤 寿盃(からみざわ いわい)であり、母の名は辛味澤 遡観(からみざわ さかみ)である。

寿盃と遡観の間には3存在の子が存在し、小麦畑はその中の長兄で長男である。

下には妹と弟がおり、それぞれ辛味澤 慮悠戸(からみざわ りょうこ)、辛味澤 観音衛門次郎助(からみざわ かんのんえもんじろうのすけ)という。

寿盃と金字塔山 堅耶麻里(きんじとうざん かたやまり)の間の子が遡観である。

 

寿盃はほかに2人の女性存在と子を儲けている。

一人は地獄河原 鹿牛馬(じごくがわら こうめ)であり、その間には2人の存在が存在する。

姉の地獄河原 顔三度迄(じごくがわら ほとけ)と妹の地獄河原 三千世界(じごくがわら さんぜんせかい)である。

 

そしてもう一人は地獄河原 河川江(じごくがわら かわこ)である。これは地獄河原 鹿牛馬の母であり、鹿牛馬や顔三度迄や三千世界のもつ地獄河原の姓はこの河川江のものである。

ただし地獄河原の姓は河原江の本来生まれ持ったものではない。旧姓は大源流峠(だいげんりゅうとうげ)である。

 

大源流峠家は元来百姓の出で、貧しい暮らしをしていた河原江に一目惚れした当時の自動車メーカーの社長であった地獄河原 金棒剛健(かなたけし)が結婚を申し込んで嫁入りさせた。

 

ところで、金字塔山 堅耶麻里は辛味澤 小麦畑の姉である。

故に当然堅耶麻里の旧姓は辛味澤である。堅耶麻里は金字塔山家に嫁ぐ訳だが、その後小麦畑との間に存在を儲けることとなる。

 

辛味澤 寿盃の父は辛味澤 少林寺拳法(からみざわ しょうりんじけんぽう)といい、彼は性豪である。彼は6存在との間で存在を儲けているが、正妻が一人、側室のような存在が一人である。

辛味澤 少林寺拳法の時代はまだ一夫多妻制が残っていた。

一般的には排他されていたが、少林寺拳法の住む地域ではまだごく自然なことであったのだ。

少林寺拳法の父、辛味澤 蛇呑(じゃのん)が生涯唯一の女性存在を愛していたことへの反動であると親戚一同は分析している。

 

少林寺拳法の正妻の名は辛味澤 武郡恒狐(からみざわ たけごおりつねこ)である。

少林寺拳法と武郡恒狐との間には長女の腓返(こむらがえり)、次女の堅耶麻里、三女の酒喰滝(さけぐいのたき)、長男の寿盃、四女の土煙巻狸(つちけむりまきだぬき)の計5存在が存在する。

 

寿盃が父のことを嫌いなのは、男として生まれたことを散々詰られて育ってきたことと、そんなことを言いながらも父が自分の身体を求めてきたことに由来する。

それほどまでに少林寺拳法の性欲は突き抜けていたのである。

 

しかし血は争えなかったようで、寿盃も多くの女性と多くの子を儲けることになったわけである。

 

少林寺拳法の二番目の妻の名は辛味澤 金輪際(とわ)である。

2人の間には長女の辛味澤 若紬(からみざわ わかつむぎ)、次女の辛味澤 天照巫女(からみざわ めぐみ)を儲けている。

金輪際は、夫の少林寺拳法から娘達を必死に守ったので、父の子を身篭るようなことにはならなかった。

しかし金輪際は若くして亡くなってしまう。それにショックを受けた少林寺拳法は、金輪際との娘には金輪際手を出さないと誓ったのである。それ以来、少林寺拳法は子を儲けるようなことは無かった。

 

また、正妻である武郡恒狐との間に儲けた娘達とは全員交わり子を授かった。これは金輪際が亡くなる前のことである。

腓返との間には長男の辛味澤 暴力(からみざわ ちから)と長女の辛味澤 鉄壁(まもり)を、堅耶麻里との間には長男の辛味澤 暁鷹(からみざわ ぎょうよう)を、酒喰滝との間には長男の辛味澤 興奮(からみざわ のぼる)を、土煙巻狸との間には長女の辛味澤 煙不立無炎処(からみざわ あたりまえ)と長男の辛味澤 狼煙(からみざわ のろし)をそれぞれ授かっている。

 

話が複雑化してきたようだ。

ここで本題に向かって筋道を少し明瞭化しておく。

 

辛味澤 甘党の祖父、辛味澤 寿盃の異母兄妹に天照巫女という女性存在がいる。

この天照巫女は多くの男性存在から身体を求められたが、姉の若紬が護り、代わりに子を孕まされて単身三児の母となる。

故に天照巫女は男という存在にかなりの嫌悪を示したが、ここで運命の出会いを果たす。

11年分も歳が上だったにも関わらず彼女は囲碁将棋 圧勝(いごしょうぎ あっしょう)と結婚することになる。

彼は天照巫女の心を救ったのである。

しかし、運命はまた数奇である。彼は辛味澤と無縁の存在ではなかった。

圧勝の弟は囲碁将棋 大勝利(いごしょうぎ だいしょうり)というが、辛味澤 鉄壁の配偶者である。

囲碁将棋 圧勝は、天照巫女と出会った際は義姉が辛味澤 鉄壁であるとは知らなかった。

しかしその名字に気付き調べてみると鉄壁と天照巫女が姉妹であると知ったのである。

圧勝は勿論そのことを天照巫女に告げたが、それでもいいと2存在は結ばれることとなる。

そしてこの2存在の間には2存在の子が存在する。

長男の囲碁将棋 一方(いごしょうぎ つよし)と次男の囲碁将棋 開戦(いごしょうぎ あたる)である。

囲碁将棋 一方は鎖帷子 美(くさりかたびら うつくし)を妻存在とし、囲碁将棋 銀桂香(いごしょうぎ せめか)を儲ける。

 

ちなみに鎖帷子 美は父に鎖帷子 不欠(くさりかたびら かけず)、母に鎖帷子 氷嚢(くさりかたびら まくら)をもつ。

そして美の兄の名は鎖帷子 十全(くさりかたびら じゅうぜん)である。

また、氷嚢の旧姓は大理石結界(だいりせきけっかい)である。父は金字塔山 金剛(きんじとうざん こんごう)、母は大理石結界 躑躅(だいりせきけっかい つつじ)である。

金字塔山家といえば堅耶麻里の嫁ぎ先であり、金字塔山 金剛の兄が金字塔山 堅耶麻里の夫、金字塔山 金閣銀閣(きんじとうざん きんかくぎんかく)なのである。

ちなみに金字塔山 金閣銀閣と堅耶麻里との間には一人の息子がおり、名を金字塔山 延暦(きんじとうざん むほん)という。

 

ここまでが家族構成であり大まかな人物相関である。

辛味澤 蛇呑以下の全配偶者と全子孫を紹介するのは今回は控えさせていただく。

あくまでおおまかにこれだけは説明しておかなければならないと判断したものだけ名を示している。

 

 

それではここからが本題である。

 

存在するのは辛味澤 甘党。

また、存在するのは囲碁将棋 銀桂香。

この2存在は再従兄妹同士である。

近隣の年代かつ近隣の交友関係には地獄河原 顔三度迄、 三千世界の姉妹が存在する。

他にも同世代の親族はいるが互いに顔を合わせたことは稀である。

 

彼らは一族が先時代的な世襲に則り乱れに亂れていることを疎んでいる。

確かに正月にはほかの存在と較べ多くの資金を調達することが出来うる。

ただし名前を覚えるリスクが伴う。

それだけではない。利点の周りを覆う欠点が既に点を越え円と化しているほどである。

 

 

甘党は従姉かつ叔母の三千世界に微かな思いを寄せている。

 

女王天童は兄の甘党に熱い恋の焔を滾らせている。

 

三千世界は従兄かつ伯父の小麦畑のことを自然に目で追ってしまう。

 

顔三度迄は妹の三千世界のこと以外は考えていない。

 

そして。

銀桂香は甘党と結婚したい。

 

 

様々な思いが交錯する。

彼等がこの一族の穿った歴史を疎んでいるのは、これらが関係しているのである。

 

彼等の属する国家では、現在の国法により4親等以上の結婚は認められている。

その場合、最短の道筋を通って計算されるため、甘党はどうあっても三千世界と結ばれることは無い。南無三。

故に法律の上では銀桂香は甘党と結婚することが出来る。

 

しかし、辛味澤家と囲碁将棋家は、甘党と銀桂香が遠戚であることを把握しているため、双方共に結婚には反対である。

銀桂香は12歳になったばかりであるため結婚できる年齢になったとはいえ、いやだからこそ心配なのである。

本気で言っていることはわかっている。

だからこそ味方も存在する。

銀桂香を応援するのは三千世界である。

彼女は作家であるその立場から様々な知見を甘党乃至銀桂香に与える。

しかし現実は甘くはなく、辛いのである。

 

甘党自身の立場もまたかなり辛い。妹と再従妹に迫られながらその上想い人はその想いに気付かず再従妹との仲を取り持つ。

また、銀桂香は甘党にとって従堂妹であるが、銀桂香からすれば甘党は従堂兄かつ義従表兄である。

 

辛味澤家という大木の周りに絡みついた苔や蔦のように囲碁将棋家やその他の親戚一族は翻弄され、現在のような運命を辿る。

 

 

甘党と銀桂香は国法上近親婚ではない。

ただし、それは国法だけによって定まるものでもない。

一族の意志がある。

昨年逝去した辛味澤 少林寺拳法であれば快く許諾したであろう。

しかしそれによってあるいは自らの若き日の行動によって今では大いに反省している辛味澤 寿盃は彼等の結婚には反対である。

 

こうした呪われた一族に生まれし辛味澤 甘党と囲碁将棋 銀桂香は結ばれるのであろうか。

 

甘党は果たしてどういう身の振り方をするのか。

 

それは神のみぞ知る─────────────────────────────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───未来である。

 

───それは未来である。

 

───辛味澤 甘党は32歳である。即ち16年の後である。

 

 

彼はこの歳遂に結婚をするのである。

 

ただし一度目ではない。

 

離婚歴もない。

 

配偶者は───。

 

 

 

配偶者は、辛味澤 銀桂香、辛味澤 女王天童、辛味澤 三千世界、辛味澤 政、辛味澤 立候補(からみざわ りっこうほ)の5存在である。

子の数は先週30を超えたらしい。

 

彼は余りに甘かった。何もかもが、甘かった。

 

故に彼は辛味澤家という大木を、さらにさらに大きくさせる大首領の如き存在へと成長していくのであるない。

 

 

 

その実につけるのは、一体何なのであろう。